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倶楽部報(2023年秋号)

第9回次世代育成大学野球サマーリーグ

マネージャー 神中 祥穂(経済学部3年 慶應NY学院)

2023年09月08日

マネージャー 神中 祥穂

マネージャーを務めております、神中祥穂と申します。
三田倶楽部の皆様におかれましては、平素より多大なるご支援とご声援をいただき、誠にありがとうございます。

8月4日より7日にかけて、新潟県にある三条パール金属スタジアム、三条・燕総合グラウンド、見附運動公園野球場の3球場にて第9回次世代育成大学野球サマーリーグが開催されました。本大会は、リーグ戦などへの出場機会がない1、2年生を中心にチームを編成し、新潟の地で、短期集中で試合経験を積むことを目的として2015年から始まりました。

本年度は、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、早稲田大学、國學院大學、拓殖大学、筑波大学、新潟大学の8大学に加え、帝京長岡高校、長岡向陵高校、新潟西高校、糸魚川白嶺高校、新発田農業高校、五泉高校、高田高校の7高校が参加し、計15校、4日間で22試合を行いました。

弊部は、4日間の内に、國學院大學、立教大学、明治大学、早稲田大学、五泉高校の5試合を行いました。初戦の國學院大學戦では、中盤まで両校無得点で進むも、6回に先制を許します。さらに、7回に四球と連打などで窮地を招くと、適時打で2点を追加され、0-3で初戦を落とします。

続く、2日目の立教大学戦は、先制を許し、相手ペースで試合が進みます。しかし、1点ビハインドで迎えた8回裏、二死一二塁から上江洲礼記(小山台・商2)の適時二塁打、真田壮之(慶應・経2)の適時三塁打で3得点を挙げ、4-2で勝利いたしました。

3日目には、明治大学と早稲田大学と試合を行いました。明治大学戦は、3回に2点を先制されるも、4回に有馬孝太(鎌倉学園・政2)の適時打で同点に追いつきます。7回に再び勝ち越しを許しますが、8回に敵失の間に1点を返し、3-3で引き分けました。早稲田大学戦は、三条パール金属スタジアムに両校の応援部・応援指導部が集まり、行われました。この試合も、先制点を奪われ、初回から追いかける展開となります。しかし、2回に連打で同点に追いつくと、勢いそのまま、4回に権藤大(慶應・商2)の適時打で勝ち越しに成功します。リードを守りたい投手陣でしたが、6回に失策や犠飛などで4点を失い、2-5で敗戦いたしました。

最終日の五泉高校との試合は、小堀政泰(慶應・商2)が2ラン本塁打を放つなど、序盤から順調に得点を重ねます。投げては、先発の内海優太郎(鎌倉学園・法1)が5回無失点の好投を見せるなど、高校生を相手に力の差を見せ、11-1で快勝いたしました。

今大会は、先制点を奪われる試合が多く、試合の主導権を握られるも、後半に粘り強さを見せることができたと思います。大会を通しては、2勝2敗1分けという結果となりましたが、この多くの試合経験が彼らにとって大きな財産となっていることを心より願っております。そして、今後リーグ戦メンバーに入り、活躍できる選手を輩出する、まさしく「次世代育成」となる大会であったと言えることを期待しております。

また、今大会において、弊部から6名の選手・マネージャーが企画チームを務めました。企画チームとは、大会までの企画・準備、協賛獲得、広報、3球場の試合運営ならびに、地域貢献プログラムなどを行う、学生チームのことです。

企画チームが企画・考案した地域貢献プログラムでは、7校の高校との交流試合、三条市の中学生・見附市の小学生を対象とした対面野球教室、新潟県の障がい者野球チーム「新潟シリアス」との交流、新潟県の高校3校を対象としたオンライン野球教室、試合前見学ツアーを行いました。

さらに、昨年は4大学への提供のみに終わったエクスカーションも、今回は県外の全7大学へ提供することができました。内容も新潟県を体感できる「ひこざぇん作り」、「笹団子作り」、「枝豆収穫体験」、「座禅体験」、「蕎麦打ち体験」、「ブルーベリー収穫体験」など充実したラインナップとなりました。中々訪れることのない新潟の地を、ただ試合をして帰るのではなく、エクスカーションを通して参加選手に新潟の魅力を知ってもらえる良い機会になったかと思います。

今大会では、新型コロナウイルス感染症の影響で実施できていなかった応援合戦を、4年ぶりに復活させることができました。早慶戦に両校の応援指導部・応援部を招き、応援合戦を行っていただきました。また、慶應義塾大学は帝京長岡高校、早稲田大学は中越高校のチアリーディング部とのコラボも行い、それぞれの第一応援歌と5回に行われるチア曲を一緒に披露いたしました。両校応援部の力を借りたことで、球場の一体感やボルテージは増し、普段は神宮球場に来ることのできないお客様や、地元高校の保護者、そしてプレーをする選手たちなど、全員に喜んでもらえる良いイベントとなったと実感しております。

また、今大会から新たに始まったイベントが2つあります。まず1つ目は、三条市立大学のサークル「雛燕」とのコラボグッズの作成です。ものづくりの街と言われる三条の中でも、とくに有名な金物を用い、ステンレス1重、ステンレス2重、チタンの3種類のカップと、キーホルダーにサマーリーグのロゴを入れて作成いたしまいた。カップ、キーホルダー共に、ロゴの裏に名前と好きな番号を入れることのできるカスタマイズの受注も受け付け、三条パール金属スタジアムでの販売を行いました。キーホルダーのカスタマイズにおいては、雛燕の方にその場でレーザー加工を行っていただきました。普段は見ることの出来ない技術を目の前で見ることができ、また、世界に1つだけの自分オリジナルのグッズを作成できるという面で、来場された方の目にも留まるイベントであったと思います。

2つ目は、道具のリユースプロジェクトです。各大学から不要になった野球道具を集めて、これから野球を始めようとしている子供たちや、道具を必要としている子供たちに提供するというプロジェクトです。野球は、道具をはじめとした競技のための費用が高額であるという問題があると考えています。そこで、野球のスタートアップに必要な道具の提供や、道具不足に対する支援を目的といたしました。また、参加大学の野球部員から道具を提供することで、少しでも野球の競技人口に歯止めをかけるきっかけになればと考え、このプロジェクトが発足いたしました。

今年は、新型コロナウイルス感染症も収束しつつあり、昨年とは異なる新たなイベントも開催することが出来、多くの観客の方に足を運んでいただけたことと思います。

このような大会にできたこと、そして無事に4日間の日程を終えることができたのは、株式会社丸富様を初め、ご協賛いただいた企業の皆様、新潟までご足労いただき大会を応援してくださる皆様など、今大会にご尽力いただきました多くの方々の支えだと感じております。

最後になりますが、この大会に携わっていただきました皆様に心より御礼申し上げます。

立教大戦で逆転の適時二塁打を放った上江洲礼記
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國學院大戦で、5回無失点の好投を見せた宮腰悠生
國學院大戦で、5回無失点の好投を見せた宮腰悠生

幾多の場面でチャンスを作った切込隊長・小原大和
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五泉高校戦で2安打の活躍を見せた寳田裕椰
五泉高校戦で2安打の活躍を見せた寳田裕椰

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