バックナンバー
倶楽部報(2020年春号)
鹿児島キャンプ便り
副務 赤松 尚範(文学部4年 小山台高)
2020年04月10日
平素より三田倶楽部員の皆様におかれましては、弊部への多大なるご支援ご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
去る2月21日から3月4日まで、鹿児島県鹿児島市鴨池市民球場を拠点に二軍キャンプを行いました。本キャンプには上田誠コーチ(昭和56年卒 湘南高)の指揮のもと、アメリカ遠征組を除いた総勢77名が参加し、温暖な気候や充実した施設のなか野球漬けの日々を送ることができました。
本キャンプではテーマとして、
①日吉で十分な実戦経験を積むことができない二軍以下の選手達に実戦の中で成長する機会を提供すること
②野球そのものへの理解を深めること
以上の2つが掲げられました。
練習は球場での実戦練習と屋内練習場での基本練習に分かれ、午前と午後で球場組と屋内組を入れ替える流れで行われました。
①の目標に対し、球場では毎日のように午前と午後に1試合ずつ紅白戦が行われ、一軍メンバーに食い込むべく各々が持ち味をアピールしていました。
堀井監督の「試合でしか学ぶことのできないことがたくさんある」という教えに基づき、試合で発見した課題を基本練習で解決していくという成長のサイクルを回すことができていました。
②の目標に対しては、夕食後に毎日ミーティングが開かれ、上田コーチや技術指導委員による講義が行われました。講義で教わったフォーメーションを翌日の練習で実際にケースノックを行うことで頭と体に染み込ませていくという、日吉の限られた環境では行うことができなかった作業を行うことができました。
キャンプの締めくくりとして、最後の2日間で計4試合のオープン戦を行い、練習の成果を確認しました。
鹿児島キャンプを通じて私が特に感じたことは、選手たちの野球への情熱です。
弊部では首脳陣や学生スタッフの工夫により、全ての選手に成長の機会があり、試合に出るチャンスも用意されています。しかしながら、日吉では一軍を中心のスケジュールを組まざるを得ず、二軍以下の選手には一軍の補助や、限られた練習時間の中で一軍以上の上達が求められている状況となっております。
そんな状況下において、思う存分に練習ができる鹿児島キャンプは二軍の選手達にとって大変貴重な時間でありました。新しい環境のもと、選手たちはよりハッスルし、目を輝かせて練習に取り組んでいました。白い練習着が真っ黒になるまで白球を追いかける姿を目の当たりにし、一軍や二軍を問わず、全員が野球への熱い情熱を持って部に身を置いていることを改めて感じました。これは野球チームとして当然のことではありますが、大学球界を見渡せば、多くのチームが100名を超える部員を抱えるなかで全員に野球に対するモチベーションを維持させることが困難な状況となっております。弊部のこうした文化は、大学球界のなかで模範と胸を張ることの出来るチームカルチャーであると考えております。
帰国後、鹿児島キャンプ組からリーグ戦メンバーに食い込もうとしている選手も数名出てきております。そうした活躍ももちろん嬉しいことではありますが、それ以上に鹿児島キャンプを通じて多くの選手がレベルアップでき、部全体の底上げやモチベーションアップに繋がったことが本キャンプでの収穫だったと思います。
本キャンプに際し、上田コーチの他にも以下の5名のOBの方々に遠い鹿児島まで指導にお越しいただきました。
古葉隆明様(平成5年卒 広島城北高)
大川広誉技術委員(平成7年卒 光陵高)
後藤健雄技術委員(平成10年卒 湘南高)
根岸弘技術委員(平成10年卒 慶應高)
髙安健至技術委員(平成11年卒 三鷹高)
在学中や社会人野球で活躍された経験に基づいた的確な指導のおかげで、より充実した練習環境のもとキャンプを行うことができました。部員一同心より感謝申し上げます。
また、キャンプ開催にあたり鹿児島三田会をはじめ、多くの塾員の方々に多大なるご支援をいただきました。特に弊部OBである吉冨信雄様(昭和35年卒 鹿児島商高)には大変お世話になり、球場へ足を運び激励までしていただきました。ご支援いただきました皆様にこの場をお借りし、改めて御礼申し上げます。
来る春季リーグ戦では、リーグ優勝・日本一という目標を達成し、皆様からの御声援にお応えできるよう精進してまいります。
今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。
打者MVPを獲った松田颯来(法学部政治学科4年・佐賀西)
投手MVPを獲った外枦保匠哉(総合政策2年・慶應湘南藤沢)